「耳ざわりのいい」ことば?
どうも、久々に数年前にやってたゲームをしたくなり、引継ぎコードの画像を探して再開しようと思ったのですが、どうやら紛失してたらしく、SSRのカードもあったはずのゲームデータが電子の海に消えてしまった奴です。
デジタル社会の厳しさを痛感しました。
一週間ぶりの更新ですね!最近語学系の記事を連続して投稿しちゃってますが、そういう形のブログではないです。なんか自然とそういう記事になっちゃってます。
今回は「ちょっと細かくない?」みたいな小言です。皆さん知らず知らずのうちに「誤用」している言い回しなんかがあると思います。もちろん日本語というものは日々変化してるもんなんですがね。そんな感じで今日の記事は進みます。
皆さんは「耳ざわりがいい」って言葉を許容できますか?たとえば、
「耳ざわりのいい音」だったり、「耳ざわりの悪い文句」とかたまに書いてる文章を見かるのですが、私はこのちょっとした言い回しに「?」ってなることが多いのです。
なんというか…「耳ざわりのいい口説き文句」とかいう文章をみたときに、耳に入ってきた音や声が鼓膜とか外耳をなぞるように触れてる感覚………みたいなちょっと気持ち悪いニュアンスで捉えてしまいそうで苦手なんです……(あくまで個人の感想です)
実際、言い換えの形としては「聞こえが良い」や「聞き心地のいい」という言い換えもありますし、
そもそも従来の「みみざわり」を漢字で書けば「耳障り」となります。
漢字で書くように、「耳障り」とは特定の音を聞くことによって聞いた者が不快に思う、感じることを指します。しかし、最近では上記で示したように「耳ざわりの良い」といった形(漢字に直せば「耳触り」タイプになるんでしょうか?)が、出てきているのも事実です。
では、このような文の形が出てきたのでしょうか?今回「現代日本語書き言葉均衡コーパス」通称:少納言というコーパスで調べてみました。「少納言」は1970年から2005年にかけての書籍やYahoo!知恵袋に出てきた文章形態が何となくわかるものです。
その結果、
割と少ない感じにも見られますが、国会の会議録にも「耳ざわりのいい」という文が見られることについては驚きです。
まぁ、理由はおそらく「口当たりがいい」からの転用なんだろうとは思われますが、20世紀にも見られた表現なのは初めて知りましたね。
その他にも誤用しやすい慣用句としては「役不足」という言葉があります。
この画像における「役不足」は厳密に言えば誤用にあたります。
おそらく「お前じゃ俺の相手役にならない」という意味で作者はここで「役不足」という語句を使ったのではないかと思われます。(実際違和感感じないし)
ただし、辞書上の意味では「割り当てられた役に不満を抱くこと」や「力量に対して役目が不相応に軽い」と、むしろ「お前もっとできるよ!!」感で使うことが正しいようです。そして先ほどの画像の「役不足」は「力不足」と呼ぶ方が相応しいと思われます。
ただ、リンク先にも示されていますが、「国語に関する世論調査」では誤用の方、つまり「本人の力量に対して役目が重い」とするほうが世間一般では多数派のようです。
いかがだったでしょうか。この記事では「誤用警察だ!!」みたいに誤用を絶対悪にするわけではありません。実際明治時代と令和でも用例が違う熟語があります。
今後どんな感じで熟語の用例が変化するかは分かりませんし、たとえそれが誤用でも「なんでこの人はこういう間違え方したんだろう」「こういう誤用が広まったのはなんで?」って考えてみるのもちょっとした時間つぶしにピッタリなのではないでしょうか。
今回もご覧いただきありがとうございました!
P.S. 「このコンテンツ高校のときに流行ったよね~」って言われたら「あぁ~大体あんくらいのときだよな~わかるわかる」って納得することができるんですけど、西暦で「このコンテンツ〇〇年に流行ったよね~」って言われたら「えっ?4年前?めっちゃ昔って感じするけど最近って感じじゃない??」って感じに思える時間軸パラドックスに陥っています。
昔見ていたニコ動の動画とか余裕で「10年前に投稿された~」って書かれているので怖ささえ感じます。(「メルト」が13年前に出されたとか信じられんし「最近の曲かな?」って思って聞いてた曲が実は2年前に投稿されてたとかよくある)