備忘録的雑記帳

日々の記録や独り言など

「エモい」って結局どういうものなんです?

どうも、普通にブログの存在を忘れかけていたおしまです。

とうとう後学期が始まりまして、2年のときに頑張らなかったツケが回ってきて今学期は下の学年と講義を受けねばならんのかぁと思う今日この頃です。

 

今回は更新用かつ久々に言葉について考えてみよう的記事です。(記事というより単純な私見ですが)

 

最近よく使われている「エモい」ってフレーズ。正直めっちゃ取り扱いがラクな言葉ですよね。

 

例えば、深夜の高速道路で中央フリーウェイを聞きながらかっ飛ばすとか、ベランダで物思いにふけながらタバコを吸ってる美人とか、下校途中に手をつなごうか迷ってる高校生のカップルなどなど・・・

 

要するに「エモい」という言葉一つとってもそれぞれの「エモさ」、感情を揺さぶられるような情景、シチュエーションがおそらく最低一つは各個人でも思い浮かべることが発想が全然でない人以外ならば出来ると思います。

 

 

ただ、大量消費時代である現代においては、「エモい」って言葉は次第に軽い言葉になりつつあるなという印象が私にはあります。まぁスラングのような若者言葉に言葉が重いも軽いもないんでしょうけど

 

とりあえず心揺さぶられるものや作品、シチュエーションと相まみえたときに私たちは「・・・うん、エモいわー。」とでも言っておけば最低限相手や第三者に対して

「私は『これ』に対して「エモい」という私の心における揺さぶりがありました」

という意思表示をすることが出来ます。言い方悪いですけど超ラクですよね。

 

そりゃあ、「エモい」モノに直面して語彙力が消失、もしくはそれに該当する語彙が自らになかったとしても「エモい」だけで自分の思いを補完、または形容できますし、

オタク特有の「ヤバい」やらの早口感想文を詠唱しなくとも一語で要約できますから「エモい」が広く使われるわけです。

 

 

ただ、

その「エモい」ってどういうことなんだろうというのも出てくるんじゃないかなと思います。

 

例えば、「インスタ映えして超エモいわ笑」とか50年後の日本人が見たらなんのこっちゃと思うような一文でも、現代人である我々(少なくとも10代から20代の世代)には意味合いやニュアンスはなんとか通じます。

 

その要因として「エモい」という単語が、あくまで「その感情」を指し示す語彙の代わりの役割を果たしている語であるということが大きいのではないかと考察しておきます。

 

例えば「トラブル」という語なんかがそれに近いのではないでしょうか。

単に「トラブル」っていっても、「人間関係のトラブル」だったり「機械関係のトラブル」、「水のトラブル」なんていうように様々な不具合やいざこざを表す言葉なんかが「トラブル」という語に置き換えることが可能です。

 

それと同様に「エモい」も色んな語彙の置き換えであるため、

例えば先ほどの私の思いついたチープな「エモい」例なんかを超意訳的に書いて見ますと「深夜という時間帯にしっとりとしたナンバーを聞きながら夜のドライブをするとは趣があるな」やら「叙情的な雰囲気が漂っててなにやら物悲しい雰囲気を感じとった」やら「青春の1ページを見ているようでカップルのもどかしさや関係性がすごく素敵である」やらと・・・

 

まぁ一つひとつがやったら長いですよね。

書いてても「日常生活においてこんな事細かく感想を述べてくれる人とかいねぇよ」って思います。

 

それならば「どこそこの場面でこいつとあいつがこういう会話してて、でも実はここ伏線だったの、エモくな~い??」

って言ってくれたほうがまだ「う~ん、エモい。」と軽く脊椎反射的に返事が返せますよね。

 

また、蛇足にはなりますが時間がない人は「エモい」というWikipediaを見てもらえるとより分かりやすいです。そこにある「エモい」の意味合いも変わってきているのかなと感じます。次の二文を見比べてみます。

・「あ~この映画超ヤバかったよ~泣けた~」

・「あ~この映画超エモかったよ~泣けた~」

意味合い的にはあんまり変わらない文章ですが、2016年ごろは「エモい」はあくまで「ヤバい」の置換的役割を持っていたと思われます。

ただ、今2020年では少なくとも好意的な「ヤバい」の置き換えとしての「エモい」の用法はあまり見られないのではないかと思います。というかなんなら「エモい」の方を使うでしょうし、「エモい」も単なる置換語から感情を指し示す語へとクラスチェンジしたものと考えられます。。(「ヤバい」も「エモい」も抽象的であやふやな表現ですしね)

 

現代的な「あはれ」を指すような「エモい」ですが、「ちらほら「エモい」って陳腐だよな」みたいな感じのツイートを見て、あぁこれがじわじわ死語になりつつある傾向なのかなとも思ったりします。昔で言うところの「ナウい」みたいなもんなんでしょうかね。

 

でも現代にタイムスリップしてきた天皇の家庭教師として入内してたようなバリキャリな清少納言が「マジエモなんすけど笑」とか「冬マジ寒くて火桶の火もめっちゃ灰になる、ぴえん。」みたいな感じに描かれた枕草子は見てみたい気もします。

 

ただ、最後に私自身のスタンスとしては「エモい」という言葉には否定的ではないです。てかむしろよく「あぁ~エモいわ~」とか「それエモくない!?」としみじみ感じることもありますしね。

でも、それのどこがどうエモいのかというのは自分の持っている語彙力で説明できる程度の語彙力が欲しいなって思う次第です。今回はこのへんで。

 

P.S. なんだかよく分からないんですが最近睡眠が浅い傾向にあるので低反発枕が欲しいです。